JR日田彦山線は、2017年7月の九州北部豪雨で鉄路の一部が未だに不通となっています。
JR九州は8月6日、日田市の求めに応じて初めて地元住民への説明を行いました。
住民111人が詰めかけた大明小中学校体育館。沿線の大鶴、夜明地区の住民からは「ぜひ鉄道でお願いしたい」「早く結論を」などの声が上がりました。
JR九州の前田勇人副社長は「復旧した後のことも含めて関係者と議論を進めてきた」と話、鉄道で復旧させる場合「収支改善を図らないと、途中でそれを断念するという無責任なことはできない。年間1億6000万円のメンテナンス相当をお願いせざるを得ない」と強調しました。
大肥本町自治会長は「早期の日田彦山線の復旧は、私達の悲願。陳情しても結論が先送りにされ、いまだに沿線住民の意見を聞きたいと前に進んでいない。確かにお金はかかるが、過疎化に追い打ちをかけるような不毛なことをしてほしくない」と訴えました。
BRT(バス高速輸送システム)での復旧案を要望している地区の住民は「災害当初は、みんな鉄道復旧案だった。しかし、平成30年4月の第1回復旧会議があって以降、鉄道復旧からBRT復旧に変わった。それはJRが悪い。復旧会議をしても、鉄道復旧はだめという報告だけ。鉄道復旧は無理かもしれないということで、BRT復旧に傾いていった」と、苦渋の思いを話しました。
大肥本町の農家は「明日、農地復旧の話がある。JR復旧の方針が決定しないと、農地復旧は一歩も進めない。激甚災害を受けて2年、いつになったら答えをもらえるのか」と怒りをぶつけました。
前田勇人副社長は「関係者すべてが、一日も早く方向性を決めたいと思っている。地元の皆さんに直接、説明するのは初めて。申し訳ない」と陳謝しました。
復旧工期については、鉄道で4〜5年、BRTで2年、代替路線バスで半年と初めて示しました。